ROE分析はデュポン流がお薦め

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先週、大津広一「企業価値を創造する 会計指標入門」の紹介とともに、
デュポン式ROE = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ
についてチラッと触れたけど、今日はそれももうちょっと掘り下げてみよう。

アメリカの化学会社デュポンが経営分析に使っていた、
ROE分析の手法の特徴は式の分解にある。

ROE = 当期純利益/株主資本
 = 当期純利益/売上高 × 売上高/総資産 × 総資産/株主資本
 = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ

こうすることで、ROE向上のために企業がとるべき行動は、
① コスト削減により収益性を高める → 売上高純利益率の向上
② 少ない資産で大きな売上 → 総資産回転率の向上
③ 株主資本比率の低下 → 財務レバレッジの向上

①、②はどのような企業にも当たり前のことだが、気をつけなければいけないのが③。
つまり安全性を図るといわれる株主資本比率が低い会社が利益をあげた場合、
極端に高いROEが計算されることがあるのだ。
株式投資の際、ROEを元に銘柄を条件検索する際に、もっとも気をつけて欲しい点。

健全な財務レバレッジ向上(株主資本比率の低下)は、
自己株式の取得と継続的な増配によるべき
であることを頭に入れておいてね。
次回ははこれを元に実際の企業分析もしてみよう。お楽しみに♪>>>つづく

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