ラプラスの悪魔とは?(確率の哲学的試論)

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ずっと読みたかったけど絶版で、中古が値上がりして入手困難。
そんな岩波文庫の一冊が先週重版されたので、速攻で手に入れた。
でもAmazonでは早くも品切れ…。今、注目されてるのかな?

ピエール・シモン・ラプラス(1749-1827年)。
ナポレオン登場前後の時代を生きたフランスの数学者だ。

将来予測に入り込む偶然を確率・統計によって飼いならす。
やがて投資や経営の意思決定モデルにまで踏み込んでくるこの理論は、
一体いつからかはじまったのか? 本当に正しい手法なのか?

そんな疑問を追求するとたびたび出会うのが「ラプラスの悪魔」。

われわれは、宇宙の現在の状態はそれに先立つ状態の結果であり、それ以後の状態の原因であると考えなければならない。ある知性が、与えられた時点において、自然を動かしているすべての力と自然を構成しているすべての存在物の各々の状況を知っているとし、さらにこれらの与えられた情報を分析する能力をもっているとしたならば…(中略)…この知性にとって不確かなものはなに一つないであろうし、その目には未来も過去と同様に現存することであろう。」P10

ラプラスが著書「確率の哲学的試論」の出だしで書いた、
この「ある知性」を後の科学者が「ラプラスの悪魔」と名付けた。

この一節をごく簡単に要約すると、

すべての事象の1つ1つは明確な原因によって起こるのだから、
正確な計算が可能なら、過去から未来を予測することは簡単だ。
もしそれが計算できないのであれば、人間の知性不足である。

科学の因果律追求の歴史を知ると、ラプラスが正しいのかも。
ならばブラック・スワンがはばたくのは、知性不足のせいなのか?

でも哲学の時間論を追ってみたかぎりでは

これまで(過去・現在)の評価は、これから(未来)起きることによって、
編集し直されるから、過去・現在の分析は未来に対して無力では?

この本を読み進めて、分かったことがあったら、また後ほど。

まずは興味のある方は早めに入手しよう!というお知らせでした。

確率の哲学的試論 (岩波文庫)
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